今回も一般知識の行政機関個人情報保護法の続きで「27条〜」を確認していきます
【行政機関個人情報保護法27条】
◆個人情報訂正請求権
→何人も、開示決定により開示を受けた保有個人情報の内容が事実でないと思料するときは、”行政機関の長”に対して保有個人情報の訂正を請求することができる
ここで判例を一つ見てみてみます
【最判平成18年3月10日】
この事件は、京都市個人情報保護条例に基づき、歯科診療に係る国民健康保険診療報酬明細書(レセプト)の開示を受けたところ、レセプトに記録された内容に誤りがあるとして、京都市に対して個人情報の訂正請求をしたものです
この判例のポイントは…
・条例は、実施機関に対して訂正に必要な調査権限を付与する特段の規定をおいておらず、調査権限に限界があること
・市は、連合会の審査の後にレセプトを取得し、これに基づき連合会を通して保険医療機関に診療報酬を支払っており、支払いの証拠証拠書類とし、レセプトを保管しているものであること
・調査権限に限界があることを鑑みれば、条例はレセプトに記載された情報を訂正することを予定したものではない
とし、この判示の事情の下では、実施機関がした訂正をしない旨の決定は違法ではないとしています
前々回に見た判例でも開示請求を否定したものがありましたが、「請求をすることができる」場合であっても、なんでもかんでも認められるというのではなく、個々のケースにより個人の権利利益を考慮して判断されているが、その限界もあるということを覚えておきたいです✏️