今回も民法の「詐害行為取消権」について確認します。詐害行為取消権の要件の④からです
◆債務者が詐害行為の時、取消権者を害することを知ったしたこと
→債務者が当該行為により、債権者へ債権を返済することが難しくなると認識していること
ここの注意点は、「ただ認識」していれば足りることです、債権者を積極的に害してやるぞ!と、いう意図までは必要ありません
◆受益者・転得者が債権者を害することを知っていたこと
繰返しになりますが、用語の確認です
「受益者」
債務者の詐害行為により直接利益を得た者
「転得者」
受益者以外の者で、債務者の詐害行為により利益を得た者
受益者は「債務者」が詐害行為の時に、転得者は転得の時に「受益者」が債権者を害する行為と知っていることとなります
この転得者は、さらにまた転得できますが、その場合も同じ様な考え方になります
次に、債権者の詐害行為取消権の行使により債務者の詐害行為が取消された場合の受益者をみてみます
◆債務者の詐害行為が取消された場合
→受益者=債務者に対してその財産を取得するためにした反対給付の返還を請求できる
また債務者がその反対給付の返還が困難な時は
→受益者=その価格の償還請求をすることができる
転得者の場合も同様に「受益者」がとなります
ここまで詐害行為取消権の要件をみてきましたが、法は債権者にその要件を立証する責任を負わせています…
ではここで記述式対策を意識してみます📝
Q:民法424条1項はなぜ債権者に立証責任を負わせているのか?
A:「債権者の詐害行為が安易に認められてしまうと、第三者の取引の安全性が害されてしまうため」(42字)
記述式についてはちょっと斜めからの質問となったしまいましたが、基本的な要件は答えられることはもちろん、このような「なぜ」のような変化球的な質問にも柔軟に対応していきたいです😖