今回の憲法は前回の予算の続きからです
前回は、「予算法律説」について確認しました
今回は、旧憲法ではなぜ「予算」が「法律」とされなかったかについてみていきたいと思います
◆旧憲法下の「予算」
→天皇の大権または、それに基づく政府の決定権を重視していたため、議会の予算議決権を相当に制限して、議決されていた
そのため、予算の拘束力も不完全で「法律」の場合との違いが際立っていた
【旧憲法64条2項】
→超過支出、指定目的外の支出も議会の事後承諾て可能としていた
【旧憲法67条】
→予算の減額修正権にも制限があり、政府の同意が必要な場合もあった
具体的には
「大権に基づける既定の歳出」
=前年度予算で承諾済の軍事費など
「法律の結果に由り〜政府の義務に属する歳出」=法律の実施に要する経費
「法律上政府の義務に属する歳出」
=国の金銭債務の履行に要する経費
このへんは、過去はそのような扱いだったと、読み飛ばすくらいで大丈夫です
細かい知識とはなりますが、そういえば予算はこういう経緯があったから、こう考えられているのかと、記憶の引き出しにちょっとでも引っかかるものがあればと、知識の肉付けに少し触れてみました
次回は予算の実際の取扱についてみていきます