今回は憲法の「法律上の争訟」でないのに裁判所の権限について確認していきます
「法律上の争訟」でないのに裁判所の権限があるものとしては、【裁判所法3条1項】の「その他法律において特に定める権限」として、法律上の争訟の裁判権以外の一定の権限、つまりプラスアルファとして裁判所に付与するという立法の余地があります
また、限定的特例の実例として、個人的な利害関係がなくても起こせる行政訴訟があります
【行訴法5条】【行訴法6条】【行訴法42条】
・住民訴訟
例)地方自治体がした公金の支出の合法性について、その自治体の住民が争う場合
・選挙無効訴訟
例)選挙が違法なものであれば、その選挙区の有権者は選挙のやり直しを裁判で求め得る
ここで用語を確認しておきます
「主観訴訟」=権利救済制度
「客観訴訟」=法秩序の保障手続
という区別ができます
では客観訴訟の裁判についても違憲審査は可能でしょうか?
本来の意味での「具体的な争訟、事件」の裁判に付随する審査にはあたらず、あくまでも個々の具体的な措置、行為をめぐる裁判の前提として行われる審査となります
判例では特に説明せずに審査できるとしており、また学説の通説でも審査できるとしています
→【議員定数不均衡訴訟】【津地鎮祭訴訟】
【愛媛玉串料訴訟】
これらは住民訴訟となってます🏢