今回は民法の「契約自由の原則」についてみていきたいと思います
◆契約自由の原則
・積極的意味=国家は契約を尊重する
・消極的意味=国家は契約に介入しない
消極的意味での契約自由の原則はさらに分類されます
・契約締結の自由
・相手方選択の自由
→これらは、契約成立に関する自由で、第三者や国には強制されないものとなります
・内容決定の自由
・方式の自由
→これらは、契約内容に関する自由となっています
しかし、弱者にはこれらの自由がなくなってきており、そこで制限が加えられています
どんな制限が加えられているのか、それぞれ具体例をみていきます
「契約締結の自由」
=医師、公証人などの公的な人や、水道やガスなどの独占的なもの
→承諾義務(締結強制)がある
「相手方選択の自由」
→独占的なものであれば選ぶことができない
「内容決定の自由」
=約款は、企業などがあらかじめ用意したものを一方的に使用者に承諾させる、同意したくなくても結ばざるを得ない
→経済的弱者の搾取が顕著、そのため労働基準法、借地借家法などがある
「方式の自由」
→定款(旧民37条)や寄附行為(民39条)
これらは、当事者の意思をどこまで絶対とするのかという点で、
・意思自治の原則
・私的自治の原則
として、人がなぜ契約に拘束されるのか分かれます
前者は、当事者の意思の合致で拘束されますが、相手方の信頼がないと意味がないものとなり、後者は自由競争の観点からのものです
この契約自由の原則について、判例を一つ上げておきます
【大判昭和19年12月6日】
この事件は契約の改定に関するもので、「事情変更の原則(法理)」と呼ばれるものですが、一度目を通しておきたいです📑