<民法>詐害行為取消権の対象と例外

民法

今回も民法の「詐害行為取消権」について確認します

まず、どのような行為が詐害行為になるのか、ならないのかについてみていきます

◆相当の対価を得てした財産処分行為
→これは、債務者が対価を得ている為、債権者の資産は減っていないので原則として詐害行為にはならない
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例外
・不動産を金銭に換えることなどにより、債務者による隠匿、無償の供与その他債権者を害することとなる処分をするおそれを現に生じさせるもの

・債権者が上記の時に隠匿などの処分をする意思を有していたこと

・受益者がその債務者の意思を有していたことを知っていたこと
(受益者=債務者の詐害行為により直接利益を得た者)

これらの要件を満たしていれば、例外として詐害行為取消権を行使できることになります


◆特定の債権者に対する弁済等
→これも債務者の資産は減少している訳ではないため(元々返す為の資産)原則として詐害行為にはあたりません
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例外
・債務者の担保の供与又は債務の消滅行為が、債務者の支払い不能の時に行われかつ、その行為が債務者と受益者が通謀しておこなわれたこと

・支払う期限や、義務が無い債務についての担保の供与又は債務の消滅行為
→債務者が支払い不能になる30日以内に行われ、債務者と受益者が通謀して行われたこと

これらの要件を満たしていれば例外として詐害行為取消権を行使できます


◆過大な代物弁済など
→債務者が負っている債務よりも明らかに多く弁済した場合、その「過大部分」について、詐害行為取消権を行使できる

◆遺産分割協議
→債権者を害する意思を持って相続分を少なくする場合などは詐害行為取消権の対象となる

ここのポイントは、遺産分割協議は「財産を目的外とする法律行為」であるため、詐害行為取消権の対象となることです

似たようなもので「相続の放棄」がありますが、こっちは「身分行為」であるため、詐害行為の対象にはならない点に注意です⚠️

最後に「財産分与」についてですが、これも身分行為(離婚後の生活保障の為のもの)のため原則、詐害行為取消権の対象にはなりませんが、原則とあるので必ず例外をみていきます
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例外
・債権者を害することを知りながら、元妻(夫)と通謀して不相当に過大な財産を分与した場合には、特段の事情として詐害行為取消権の対象となります


詐害行為は要件と、行使できる場合、出来ない場合、出来ない時の例外とおさえておくところが多く大変ですが一つずつ確認をしていきたいです

次回も引き続き要件の続きをみていきます🏃‍♂️

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