今回は民法94条「虚偽表示」を確認します✋
☆「虚偽表示」とは…相手と通じて虚偽の意思表示をすること
→当事者間での意思表示の効力は無効だが、善意の第三者には対抗できない
例えば)
Aが自分の持っている土地の強制執行を逃れるために、知り合いのBにお願いしてBに登記させた場合
このケースではAB間の契約は無効となりますが、 Bがその土地を善意のCに譲渡した場合は、
Aが「その土地は本当は俺のものだから返せ」といっても、Cは土地の権利を取得できます。
ポイントは、第三者(C)は、無過失であることまで要求されないという点です。
この例ではCさんに、「その土地についてもっとしっかりと調べていたらAのものであるって分かったよね?あなたにも落ち度があるよね?」とまでは突っ込まれないで、単にそのことを知らなければ保護されることになります。
また、Cさんは登記をしていなくても民177条の対抗問題にもなりません。
(民177条=先に登記した方が勝ち!と覚えておきます)
これは、自ら虚偽の外観を作り出した者の方が帰責性が大きいためとされています。
因みに、ここの善意の判断時期は「取引当時」とされます。
ここまでが、虚偽表示の基本的なところですが、記述式対策も意識してみましょう❗️
問題文が虚偽表示を説明するものであるとして…(「Cは…に続けて」のケースと仮定)
Q:ここでいう善意の第三者とはどういう者か?
A:「AB間の契約が虚偽であることを知らず、新たに法律上の利害関係を有するに至った者。」(40字)
などと、勝手に問題を作ってみます。また、「対抗要件の有無」を聞いてくるバージョンなど、自分なりのQ&Aを作ってみるとより力になります💪
判例では、この虚偽表示の第三者にあたるとされたものと、第三者にはあたらないとされたものがあったりと、択一でも深いところまで聞かれる可能性があります。次回はそこを確認してみたいと思います。
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