今回も行政法の「行政契約」について確認します
行政契約には次の一定の制限があります
・法律による行政の原則
→法律で認めていないものを契約で認めることは許されない
=法律がないとできないもの
・法律の内容に真っ向から対立するもの
→法律でできないとしているのに、契約でやろうとしているもの
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◆行政契約の代表例
「公害防止条例」
→通常は、地方公共団体と住民と企業の三者で結ばれることが多い(行政機関が入らないケースもある)
日本では戦後深刻な公害が発生しています
当時は公害による法律はありませんでした(1940〜1960年代)
そこで、地方公共団体は条例を作ろうとしたが、それには時間がかかるものでした
そのため、企業と契約を結ぶことで規制をしようとしました
これが「公害防止協定」です
昭和39年に横浜で始まり、そこから全国に広がっていきます
◆協定と契約の違い
→法律上は区別されていなく曖昧なもの
協定というのは、契約の一種でもあります
では、その特徴をみてみます
・当事者が合意に至るまでの間に何度も交渉を繰り返されることが多い
・当事者の数が多いケースが多い
例)一企業と何十人など
・合意の中味が様々な事柄について決められている
また、住民と企業で排出量を決めたり、立入検査を認めたりもしています
公害の責任、事故のときの取決めなどを定めて、公害が発生したときの基礎とします
ここが、対等の関係となっています
しかし、企業が守らないとしても強制をすることはできないので、その場合は裁判所の手続が必要となります