今回は民法の「善管注意義務」について確認していきます
◆善良な管理者の注意義務
→債権の目的が、特定物の引渡しであるときは、債務者はその引渡しをするまで、契約その他の債権の発生原因及び、取引上の社会通念に照らして定まる善良な管理者の注意を持ってその物を保管しなければならないというものです
【民400条】
例えば、「生まゆ」の売買とすると、「生まゆ」が変化しそうだったので「乾燥まゆ」にしたなど、これは保管者の相手方のためにする善良な義務であり、その判断は客観的基準によるものとされます
(余談ですが、この「生まゆ」の例えは私が大学時代の先生がしていたもので、凄く印象に残っていたのでお借りしました)
この【民400条】とセットでよく出てくるのが、【民659条】の「無報酬の受寄者の注意義務」です
◆無償受寄者の注意義務
→無報酬の受寄者は、自己の財産に対するのと同一の注意を持って、寄託物を保管する義務を負う【民659条】
「寄託」とは、物を保管することを約束してその物を受け取ること(承諾)によって効力を生じる契約のことです
その物の保管を”依頼する側”を「寄託者」、その物を”保管する側”を「受寄者」と呼びます【民657条】
こっちは自分の財産と同じ注意義務となっており、善管注意義務よりは緩いものとなっています