今回は行政法の「行政計画の処分性」について確認していきます
行政計画に国民が不満がある場合に裁判所へ訴えることができるのでしょうか?
ここでの裁判所へ訴えるとは「取消訴訟」や「無効確認訴訟」のことです
では、条文をみていきます🔎
【行手3条2項】適用除外
→何か行政庁の行為を取消してほしいときに使うところです
これが使えそうですが、「処分性」が問題となります
行手3条は処分でないと取消訴訟はできません
もし、行政計画でも「処分」となればこの3条が使えます
同じく無効確認は【行手3条4項】ですが、ここでも「処分」の文言が入ってきます
◆「処分」とは何か?
裁判所が定義しているポイントは
・行政庁の行為のうち、直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定するものは「処分」と認められます
行政計画は予想図ですが、その時点で国民に影響あると処分にあたります
→拘束的な行政行為
これは、取消、無効確認訴訟ができます
その反対で直接国民に影響を与えないものは裁判で争えないことになります
→非拘束的行政行為
では判例を確認します
【最判昭和41年2月23日】
この事件は土地区画整理に関する事件で、都市計画に基づき、市街地のどこに宅地を作り、公園を作るかなどの区間を整備するもので、ひとたび始まるとそこに住んでいた人は自由に増改築などが勝手にできない状態となります
戦後復興のためにいたしかたないと、住民は我慢していましたが、そこから10年経っても工事に進展がないことから、住民は土地区画整理事業の無効確認を裁判所に求めたものです
最高裁は、これは国民の権利義務関係に影響しないもの、つまり非拘束的行政行為であり、処分性がないもので、同時にこの土地区画事業は青写真の性質があるにすぎないとしました
結論として、国民一人一人の権利義務に影響を与えていないとして、住民側は敗訴となったものです