<行政法>調整的な指導

行政法

今回も行政法の「行政指導」の続きです

前回は行政指導の種類として、「授益的指導」と「規制的指導」について見ていきました

今回は「調整的な指導」と呼ばれるものをみていきます

◆調整的な指導
→企業と一般住民との間に行政庁が入って調整をするもの

例えば、ビル建築業者と反対住民の争いがあったとして、その間に行政庁が入って、何とか住民が納得してから建築してほしいと指導のかたちで行うものなどです


「指導」というのは、相手方の行為をあおぐものですが、そこには最低限のルールが決まっています

【行手法32条1項】
→行政機関の任務や事務の範囲を逸脱してはならない、あくまでも相手方の任意に基づいているもの

【同2項】
→従わない人に対して、不利益な取扱いをしてはならない

【行手33条】
→申請者が従わないという場合に、だらだらと同じ指導をしてはならない。また、権利行使を妨げることをしてはならない

判例では【最判昭60年7月16日品川マンション事件】を確認しておきたいです

この事件は、行政庁に建築確認をし、適法かどうかを確認しようとした業者に対して、住民の反対運動があり、なかなか返事をしない行政庁が行政指導をさかんに続けたもので、最高裁は行政庁に過失があったとしたものです

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